犬の尻尾を引っ張ることが好きな方はちらほらいるようです。
犬は尻尾の先端を触られるのを嫌なのが普通なのですが、子犬の頃からのしつけや我慢強さで犬のほうも嫌がったり痛がらないので、引っ張っても問題ないように思えてきます。
尻尾が特別に強化され、引っ張られるのが当たり前の犬種もいますが、一般の犬種はどれだけ尻尾を引っ張ってもいいのでしょうか?
目次
犬の尻尾を引っ張るのはダメ
力の程度にもよりますが、犬の尻尾を引っ張ると付け根が脱臼したり、骨折する可能性が否定出来ません。
そして、俗に尻尾引っ張り外傷と呼ばれる仙尾部外傷になる可能性があります。
尻尾の付け根周辺の脊椎には馬尾と呼ばれる下半身をコントロールするのに重要な神経が繋がっています。
この馬尾が脱臼や骨折、仙尾部外傷などにより切断されると下半身に障害が出る馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)になる可能性があるからです。
もし、この馬尾症候群になってしまえば、排せつや後ろ足の機能に障害が出る可能性があります。
治療法は神経が回復するまで安静を心がけることです。
回復するまで排せつの補助を飼い主がする必要があります。
なお、たとえ、安静にしていたとしても排せつの機能が完全に回復するとは限りませんから、尻尾を引っ張るのはかなりのリスクです。
小さな子どもは力いっぱい引っ張ることがあるので、子どもにきちんと接し方を教える必要があります。
何故、犬は尻尾を引っ張っても痛がらないの?
動物の巣穴に体を突っ込み、獲物を捕らえるテリア種の一部は頑丈なしっぽを持っています。
これは人間に尻尾を引っ張ってもらい、巣穴から出るためです。
この手の犬種ならば、多少引っ張られてもどうってことはないでしょうが、ほとんどの犬は尻尾を引っ張られることに痛みを感じていてもおかしくはありません。
犬が痛みを感じるシステムは人間の体と同じですから、感じる痛みの強さも同じはずです。
ただ、犬は動物としての本能から、痛みを表に出すことはないのです。
そのため、犬が痛がるような時はとても痛い時ですから、迷うことなく病院に連れていかなければいけないタイミングです。
まとめ
犬の尻尾を引っ張るのはたとえ面白くてもやめたほうがいいでしょう。
犬は尻尾を引っ張られることを嫌がるものも多いですが、子犬の頃から人間が体を触ることになれさせるとどこに触られようと抵抗しなくなります。
そのため、引っ張って遊ぶ人もいるのが事実です。
しかし、あまり引っ張り過ぎると、犬の神経にダメージを与えてしまい、排せつや後ろ足の機能に障害を与える可能性があります。