犬は人間のように言語を持っていないため、全身のジェスチャーや吠えることで意思や感情を表現します。
中には凶暴な顔をして吠える犬もいますが、実は人間を攻撃したいと思っているのではなく、臆病の裏返しであることもよくあります。
臆病だから吠える犬はどう直せばいいのかを解説します。
臆病な犬が吠える原因
以下に紹介するどのパターンでも、「近付くと、噛むぞ」という警告です。
怖いからこそ、自分を守ろうと攻撃的になっているのです。
そのため、無暗に手を出すと、噛まれます。
(1) なんにでも怖がる時期
個体差もありますが、犬は生後5ヶ月から1年頃になると、様々なものが分かり始めるようになります。
そのため、風などの些細なものにも怖がり、吠えることがあります。
正常なので、いつも通り散歩をしていれば戻っていきます。
(2) 生まれつきの性格
犬種によってある程度、性格は決まっていますが、個体差も大きいです。
そのため、生まれつきの性格によって臆病な犬もいます。
一番、直し辛いものですから、個性として認めてあげることが必要です。
(3) 過去に怖い思いをした
虐待をされた保護犬などに多いです。
犬にあった手厚いケアが長い時間必要です。
なお、手厚いケアと甘やかすこととは違います。
(4) 社会化をきちんとしなかった。
生後2ヶ月から6ヶ月は社会化期と呼ばれ、多くの人や犬、物に触れ、自分が生きる世界は危険なものじゃないということを知らせる時期です。
それをきちんとしないと、外に連れていったり知らない人が通り掛かっただけで、「怖い!」となってしまいます。
日本の飼い犬で臆病な性格の場合は、これが理由であることが多いです。
犬の臆病な性格の直し方
子犬はなんでもスポンジのように吸収してしまいますが、成犬の場合、すでに性格が固定されているので時間が掛かります。
何に対して怖いのかで対処法が変わって来ますが、原因が生来の性格の場合、直そうとするよりは受け入れて、犬が怖がらない環境を作ったほうが早いです。
そして、過去に虐待されたといったトラウマを持つ犬でない限り、臆病な犬の飼い主の多くは犬との主従が徹底しておらず、犬を甘やかしていることが多いです。
そのため、まず犬との主従を徹底するために服従訓練を行いましょう。
犬を直そうとするのではなく、飼い主が変わることで犬も変わるのです。
犬が恐がっているからと、「怖いねー」と撫でるのは逆効果で、犬の恐怖が助長されるだけです。
犬は飼い主の態度を見て、物事を理解するのであり、飼い主の言葉を理解はしません。
この時、飼い主は毅然とした穏やかな態度を貫けば犬は、「怖くないんだ」と理解し安心します。
しかし、犬が飼い主をリーダーと認めていなければ、いくら飼い主が毅然とした態度でも犬は飼い主の行動を理解しようとしません。
何故なら、リーダーはたとえ、臆病ものでも群れの仲間である弱い格下を守ることが役目であり、群れの仲間はリーダーに従うのがルールです。
そのため、リーダーは格下の顔色を窺いませんし、格下の飼い主がリーダーとなった犬の顔色を窺うのが犬にとっては自然なのです。
元来、人間によく従う個体が選抜交配されてきたであろう犬はほとんどがリーダー向きの性格をしていません。
そのため、犬にとってリーダーの役目はとても負担ですが、人間が頼りないと犬は群れを守るために仕方なくリーダーになるというのが習性なのです。
人間がリーダーとして機能していれば、「ダメ」以外にも「おすわり」のコマンドで犬が吠えるのを止めることが出来ます。
理想は犬が吠える直前に、「おすわり」させることです。
まとめ
臆病な犬がよく吠えるのは怖いからで、「近付いたら、攻撃するぞ」と警告をしています。
先天的に臆病な犬もいますが、日本の飼い犬のほとんどの場合、社会化がうまくできなかったため、臆病になっています。
甘やかされた犬も多く、ますます臆病や吠えることを助長しています。
人間が犬のリーダーになっていれば、犬の臆病からの吠えるという行為も「おすわり」や「リーダーウォーク」の徹底で減らしていくことが出来ます。