「うちの犬はお座りも出来ない」と言う飼い主は多くいます。
稀に、犬というものは、「お座り」と言われたら、勝手に座るような習性を持っていると思っている飼い主もいますが、人間が文字の書き方や正しい椅子の座り方を学校で習ったように、犬にも教える必要があります。
「お座り」の習得しやすさは犬種や犬の個体によって差がありますが、「お座り」が出来ないと、「待て」も出来ないため、重要なトレーニングです。
きちんと教えているのに、犬が「お座り」を出来ない理由を解説します。
犬が「お座り」を出来ない理由
(1) 飼い主と犬の間に信頼関係がない。
人間だって嫌いな人やよく知らない人から、「あれをやって」と言われたら、嫌な気持ちになるように、犬も同じです。
最低限の信頼関係があれば、飼い主がおやつでつれば大抵はやってくれます。
(2) 犬がリーダーになっている。
犬の社会ではリーダーは格下の言うことは聞かなくてもいいのです。
そのため、飼い主がいくら指示してもやってくれません。
(3) 教え方が悪い。
犬にとって訓練が苦痛になったら、やってくれません。
警察犬や麻薬探知犬という全ての働く犬にとって、基本的にトレーニングや仕事は遊びと思って、喜んでやっています。
家庭で犬のトレーニングをする場合も遊びの延長として、犬が楽しみながら出来るように工夫する必要があります。
犬と接したことがない場合、犬を飼ってもうまくいかないことのほうが多いでしょうから、家庭でやろうとせずに、専門家に犬との接し方や訓練のやり方を学んだほうがいいでしょう。
犬に「お座り」を教える方法
家族に「お座り」をやってもらう方法があります。
犬は群れの仲間の行動をよく見ていて、真似をすることが出来ます。
飼い主が、「お座り」と言ったら、家族が座り、飼い主がごほうびに家族におやつをあげ、大袈裟に褒めるということを繰り返します。
家族を犬に見立てているわけですが、これを見た犬は「お座り」と言われ、座った時に、おやつをもらえる遊びと思い、参加する可能性があります。
当然のことですが、人間へのご褒美と犬へのご褒美であるお菓子は当然、別物です。
そのため、お菓子をあげる指示役の飼い主は人間用と犬用のお菓子をきちんと持っておく必要があります。
犬がこの遊びに参加し、「お座り」の合図で座ったら、おやつをあげ、大袈裟に褒めます。
ご褒美はおやつではなく、おもちゃでも構いません。
コツは犬の視界内で行い、人間を褒める時と犬役の人間が本気で楽しそうにやるということです。
犬は人間の感情を見抜くことに長けている動物なので、本気で楽しそうにやらなければ、犬には伝わりません。
大袈裟に褒めることもとても大切です。
おやつでうまくいった場合、「お座り」をしたご褒美をおやつから大袈裟に褒められることに変えていくため、徐々におやつを減らすからです。
犬がおやつやおもちゃ欲しさに自発的に参加するかどうかに掛かっていますから、興味を示さず、参加してこなかった場合はやめましょう。
この方法は一般的なトレーニングに比べて非効率なため、一般的な方法でどうしても、「お座り」が出来ない犬に対し、ダメ元でやってみる方法であり、遊びとして楽しむという気持ちを忘れてはいけません。
まとめ
犬が「お座り」を出来ない理由は主に3つあります。
(1) 飼い主と犬との信頼関係がない。
(2) 犬がリーダーになっている。
(3) 教え方が悪い。
教え方によっては犬が訓練を嫌がることがありますから、どんな時でも訓練は遊びの延長もしくは遊びとして行いましょう。
犬の集中力は10分から15分で切れるため、訓練はそれを目途にやめます。
「お座り」は「待て」などが出来るようになるためにも必要なため、重要な動作です。
なお、習得しやすさは犬種や固体によって違うので、時間が掛かっても他の犬と比べたりしないようにしましょう。