家にいる時はとても大人しい犬なのに、犬に留守番をさせると、朝から晩まで吠え続けていることを近所からの苦情で知り、しつけるか手放すかを迫られたという飼い主もいます。
この飼い主に限らず、犬を1人にした時にひどく吠えて困っている方は多いのです。
犬が1人になった時に吠えるのは分離不安から来ています。
分離不安になる理由と対策についてお知らせします。
目次
犬を1人にすると吠える理由
分離不安とは犬が1人になった時に強い不安を抱くことを言います。
不安や淋しさから、飼い主を呼ぶように吠えるのです。
通常、この時の鳴き声を飼い主は聞くことは出来ませんが、犬は全力で鳴くので、飼い主が聞いたこともないような大音量で何時間も吠え続けることが多いです。
犬によっては、周辺の住宅に響き渡るくらいの大音量で、朝から晩まで吠えることもあります。
元来、犬は24時間、群れの中で暮らす動物であり、1人になるようには出来ていません。
本来の習性や本能とは異なる行動を強いられた結果、犬には不安が生まれるのです。
落ちている木の実でも拾っていれば飢えをなんとか満たせる人間に比べて、犬は群れで狩りをする動物です。
1人になるということは飢えに直結する深刻な状況であり、人間に比べれば、遥かに孤独が苦手なのです。
そして、分離不安の傾向が強い犬は甘やかされているケースが多いです。
常日頃から人間がいる時はずっと甘やかされ、構われているので、人間に依存しきってしまい、1人ではどうすることも出来なくなってしまったのです。
犬を1人にしても吠えないようにする方法
(1) 飼い主が家にいる時も犬が1人になる時間を作る
飼い主がいて当たり前なのではなく、いなくても当たり前と思わせることが大切です。
そのため、犬を部屋に1人だけにするやわざと飼い主が家の外にいって、数分後に家の中に戻るなどのトレーニングが必要です。
要は構い過ぎないことです。
(2) 出かける時は出かけるということを悟らせない。
家を出る時、「いってきます」は犬にとっては、「これから1人にされて、長い時間を過ごさなくちゃいけない」という苦痛の宣告です。
犬におもちゃを与えて、気を引いている間に素早く身支度を整えて外出しましょう。
(3) タイマー付きのテレビやラジオを活用する。
製品によっては、時間によってテレビやラジオの電源を切りかえられるものがあります。
事前に、10時から11時、17時から18時といった決まった時間にテレビやラジオが流れるように設定しておけば、犬の気が紛れますし、気が引けます。
常時、音声を流しっぱなしにすると音が鳴って当たり前になるので、犬は音に見向きもしなくなります。
(4) スピーカー付きウェブカメラで呼び掛ける。
現在は犬や子どもの監視、防犯用としてスピーカー付きのウェブカメラが市販されています。
犬の様子を見ることも出来ますし、犬に呼びかけることも可能です。
(5) 吠えたら、嫌な音が鳴る超音波装置を使う。
通販サイトなどでは犬が吠えたら、センサーが反応し、犬にとっては不快な超音波を発するものがあります。
人間に超音波は聞こえませんし、犬にも人にも害はありません。
(6) ペットシッターを雇う。
犬の散歩や餌の世話をしてくれるペットシッターに来てもらうのも手です。
まとめ
犬を1人にした時に吠えるのは分離不安と呼ばれる症状です。
元来、1人で生活をするという習性がない犬にとって1人での留守番はとても苦痛な上に、暇なものです。
分離不安になりやすい犬は甘やかされているケースが多いですから、甘やかし過ぎないことも大切ですし、外出時も対策をする必要があります。
そして、飼い主が家にいる日でも犬が1人でいられるように気長にトレーニングをする必要があります。