子犬の頃は大人しかったのに、成犬になると吠えるようになるという犬もいます。
たとえ、子犬といえどもとても大きな声なので、近所に対して引け目を感じたり、実際にトラブルに発展する事例も多いです。
成犬にしつけをしても意味がないという人もいますが、成犬といえどもしつけは可能です。
ただし、成犬になると、覚えが悪い他に意地やプライドもありますので、覚えたとしても素直にやってくれない場合もあります。
目次
吠える理由
子犬の頃、吠えてはいけないとしつけなかった。
人間は幼い頃、悪口を言ってはいけない、大きな声を出してはいけないと大人たちに口を酸っぱくして言われ、言葉や声の使い方を学びます。
犬も同様に吠えてはいけないと誰かから教えられないと、自分の声の正しい使い方を身につけることが出来ません。
子犬の頃は鳴き声が小さいので、吠えていることに気付かずに、吠えてはいけないと注意するのを怠ってしまったという人が多いです。
成犬となり、縄張り意識が芽生えた
縄張り意識が強まった結果、来客や配達の人、小動物などを追い払おうと吠えるようになることがあります。
夜中、何もいない空間に吠えている時も、そちらの方向にねずみなどの小動物がいると考えていいでしょう。
家族や飼い主を守っている行為ともいえます。
威嚇している。
恐怖や飼い主を守ろうなど原因は様々ですが、近寄るなと吠えています。
縄張りを守る時にも威嚇吠えをします。
甘やかした。
犬が吠える度に、おやつをあげたり散歩に行ったり、遊んであげたりしていると、吠えると言うことを聞いてくれると学びます。
そうなると、人間に何かしてほしい時に吠えるようになり、人間が何かしてくれるまで吠え続けます。
運動不足
運動不足の状態でも犬はストレスから吠えます。
これはしつけの問題ではなくて、飼い主と犬とのコミュニケーション不足の問題です。
犬が心身ともに疲れるまで、よく遊んであげましょう。
発情
去勢をしていないオスが、発情中のメスの臭いを感じた場合、吠えるようになります。
数キロメートル先の発情したメスの臭いを感じ、発情することもあります。
こちらもしつけの問題ではなく、気になるようだったら、去勢をするしかありません。
去勢や避妊は犬が可哀そうと思う人もいるのですが、繁殖出来ないのに発情により興奮し続けないといけない犬も大変だという考えもあります。
去勢は犬をコントロールしやすくなるというメリットもあります。
吠える成犬のしつけ方
要求吠えで吠える場合のしつけ方
要求吠えとは犬が散歩に行こう、おやつ食べたい、遊んでという要求をする時の吠え方です。
基本は無視をします。
無視を続けることで、吠えても人間は言うことを聞いてくれないということを犬に学ばせます。
しかし、犬が人間は吠えると言うことを聞いてくれると学習していると、何時間でも吠え続けることがあります。
この場合は一旦、人間が家の外に行き、少し歩きます。
家から遠ざからないと、犬は鋭い聴覚ですぐそこに飼い主がいることを察知します。
吠える対象がいなければ、犬も吠えることが出来ません。
犬と人間の信頼関係と絆がきちんとあれば、「吠えると人間がいなくなって寂しい。そうだ、吠えなきゃいいんだ」と学習します。
もしくは、犬が吠える前に、犬の要求を満たしてあげることです。
威嚇吠えのしつけ方
散歩中に他の犬や人に吠えるや来客に吠えるというシチュエーション別に、細かい違いはありますが、大まかなやり方は同じです。
最初に犬が吠えたら、犬の脇腹や後ろ足を手や足で軽くタッチし、犬を我に返らせます。
タッチする時は軽くです。
力を入れると、タッチではなく、叩くになり虐待です。
理想は犬が吠えるターゲットを見た時に、飼い主が落ち着いて、犬をお座りさせることですが、都合よくいかないのでまずは興奮している犬を我に返らせます。
その後、お座りをさせます。
お座りは犬の気持ちを落ち着かせるためであり、飼い主の言うことを聞かせやすくするためにもします。
犬が唸ったり、吠えたら、「ダメ」と叱ります。
自宅での来客に吠えることをやめさせるトレーニングの場合、犬がお座りをした状態で来客に家の中に入ってもらいます。
犬がお利口さんにしていたら、来客や散歩中にすれ違った飼い主などにお願いし、おやつをあげてもらいます。
犬が威嚇吠えをするのは、吠える対象が犬にとっては敵か怖い存在だからです。
吠える対象=敵という従来の認識を、おやつをくれる=良い人という認識に修正します。
他にはグッズを活用する方法もあります。
犬が吠えたら、人間には聞こえない超音波を発して、犬に不快感を与えるグッズというものがあります。
無駄吠え用のグッズは他にも多数あります。
しかし、グッズによっては犬に効果がなかったり、トラウマを植えつけることもあります。
基本的に、吠えると不快な思いをするから、吠えたくないと犬に思わせるグッズであり、吠えてはいけない及び吠える必要はないと教えるものではありません。
「吠えたいけれど、嫌な思いをするから吠えない」と「吠える必要がないから、吠えない」では大きな違いがありますので、犬にとってどちらがよいかを判断した上で活用して下さい。
まとめ
成犬でも時間は掛かりますが、吠えるに限らずしつけは可能です。
子犬の頃に比べれば、覚えも悪いですし、意地やプライドがあるので、素直に従わないこともあります。
吠える原因が発情や運動不足の場合、これらをきちんと発散しない限りしつけは意味がありません。
大型犬を朝晩1時間散歩させているから大丈夫と思ってはいけません。
1日10キロ走っても余裕がある犬種は多く、家庭用のペットとしても飼われているのです。
しつけの方法は吠える原因により変える必要があります。
どのような場合であっても犬と飼い主との信頼関係があってこそですので、しつけをやり直す場合はまずは犬との信頼関係を見直すところから始めましょう。
なお、稀に犬がよく吠えるのは先天的もしくは後天的な疾患や障害、精神病というケースもあります。
運動をさせてもしつけをしても収まらない場合は精神安定剤などの投薬が必要ですから、犬の問題に精通した獣医に相談をしましょう。