犬と楽しく散歩をしている最中、犬が拾い食いをして困るという飼い主がいます。
特に、元が保護犬だった場合、厳しい野生生活の名残で、落ちているゴミや食べ物を漁るという癖が抜けない場合があります。
しかし、道に落ちているものはたとえ、食べ物でも、犬にとっては良くない成分が入っている可能性があり、愛犬を守るためにも出来ることならやめさせたい癖です。
どうしたら、やめさせることが出来るかをご紹介します。
目次
何故、犬は拾い食いをするの?
(1) 好奇心
犬は好奇心から、落ちているものに興味を示しています。
元来、犬というものは動くものはよく見え、動かないものや遠くの景色といったものは見え辛いのではないかと言われています。
そのため、どんな形をしているのかをしっかりと確かめるためにも、近付いてしまうのかもしれません。
(2) 昔の名残
保護犬だった場合、野生時代の習性が残っていることが考えられます。
野性を長く経験した犬は食べ物に苦労しているので、飼い犬になったあとも食べ物への執着が強いことが多いです。
そのため、お腹が空いていなくても落ちているものは、とりあえず食べておくという癖を持つ犬もいます。
このパターンだった場合、長年の習性や飢えに苦しんだ記憶もあるので、拾い食いをやめるようにしつけても時間が掛かることが多いです。
(3) 飼い主に構ってもらえた。
犬が落ちているものに興味を示したところ、飼い主が自分に構ったので、落ちているものを飼い主と遊ぶためのおもちゃ代わりにしているパターンです。
飼い主は危ないものを食べさせたくないため、犬から食べ物を取り上げたに過ぎませんが、犬にとってはその過程を遊びと解釈し、とても楽しかったのでしょう。
(4) 犬種
犬種によっては落ちているものを拾うといった仕事をしてきた犬がいます。
当然ですが、人間は落ちているものをよく拾う犬が欲しいので、落ちているものをよく拾う犬を選抜し、繁殖します。
長年、選抜による交配を続けた結果、先天的に落ちたものを拾う癖を持つ犬が生まれ、それが犬種となるのです。
先天的に落ちたものを拾うという癖があるため、拾い食いをしつけで直すのは時間が掛かります。
犬の拾い食いを防止するしつけ方
(1) 散歩中、犬が物を拾えないように早歩きを心がけますが、歩きながらも犬をよく観察をし、動向を注視します。
(2) 犬が落ちている何かに興味を示し、口を開けそうになったら、「ダメ」と声を掛け、リードを軽く引き、注意します。
(3) 犬が拾い食いをしなかったら、大袈裟に褒めます。
これを犬が拾い食いしなくなるまで繰り返します。
食べたり、くわえる前に「ダメ」と注意をすることで、犬に落ちているものに興味を持ってはいけないということを教えます。
食べていたり、くわえている最中に、「ダメ」といっても、犬は先ほど自分が行った物をくわえるという行為が、ダメだとは理解せず、所有をしていることを禁止されたと感じます。
犬は所有欲がある生き物なので、「これは自分のものだ!」と反発するだけです。
一方、くわえる前にうまく注意出来た場合、「今、自分は落ちているものをくわえようとしたけれど、ダメみたいだ」と考えます。
まとめ
犬の拾い食いを防止するためのしつけ方法は、拾い食いをする前に注意出来るかどうかに掛かっています。
犬は1秒前の行為を振り返るという思考はなく、常にリアルタイムを生きていますから、「拾い食いしちゃ駄目なんだ」と思われる前に、「この拾ったものを取り上げられる!」と勘違いされ、抵抗される可能性があります。
しかし、1秒後の犬の行為を予見し、行う前に注意出来れば、犬は、「今、自分が拾おうとしたものは拾ってはいけないらしい」と理解しやすくなります。
拾い食いするしないは犬種に影響もされるので、気長にしつけを行いましょう。