マルチーズは約3000年前から地中海にあるマルタ島で愛玩犬をしてきたとされる犬種です。
かつて大流行し、現在もかつてほどではないにせよ人気があります。
飼いやすい犬種といわれますが、マルチーズのしつけに悩む人は少なくないようです。
どのようにしつけていけばいいのでしょうか。
マルチーズの性格としつけ方
遊び好き、警戒心が強い、恐れ知らず、気が強い、穏やか、溌剌、聡明、大らか、敏感、活動的、素直、優しいというのが主な性格です。
オスのほうが大らかな気質が多いとされますが、個体差があります。
主な性格の中に相反する性質が入っていますが、マルチーズの飼い主はうちのマルチーズは穏やかで手が掛からないという人もいる一方で、やんちゃで困るという人もいるので、性格にかなりの差がある犬種です。
警戒心が強いため、人見知りをすることもあれば、恐れ知らずのため、無鉄砲に大型犬などに突っかかっていくこともあり、喧嘩を売らないようにしっかりとしたしつけが必要です。
穏やかという性質ですが、神経質な一面もあります。
世界最古クラスの愛玩犬であり、だっこをされることが好きですが、家族以外にはあまり懐きません。
現在も人気の犬種ではありますが、チワワやダックスフントほどではないので、無理な交配をしてでも産ませ、ペットショップに卸そうとするブリーダーも少ないことと思います。
なので、先天的に性格に難があったり、どこか問題があるという個体はチワワやダックスフントに比べれば少ない可能性があります。
しつけに関しては可愛らしい小型犬なので甘やかす人が多いです。
そのせいで犬の召使いになっている飼い主もいるので、しっかりと犬の親になったつもりで悪いことは悪い、良いことは良いと教えてあげる必要があります。
手入れに関しては毛が抜けにくいですが、毛玉にはなりやすいので毎日のブラッシングは欠かせません。
涙と目やににより、目の周りの被毛が赤くなる流涙症になりやすいです。
子犬期は低血糖になりやすいので無理はさせ過ぎないようにしましょう。
マルチーズのトイレ・噛み癖のしつけと叱り方
トイレ
基本的に犬は生後6ヶ月まで誰かがつきっきりで世話をすることが理想です。
犬や人を始め、哺乳類は幼少時につきっきりで世話をされることで情緒を育み、健全な精神の成長をするようになっています。
トイレもつきっきりでお世話をしていると、犬のほうが自然と覚えているものです。
トイレの問題に直面する人は犬に平日の長い時間留守番をさせていることが多いです。
ケージの中にトイレと犬を一緒に入れておき、「犬がトイレを使わない」と嘆く人もいますが、人間ですら幼児の頃にトイレに行くことから覚えるので、犬もトレーニングが必要です。
まず、休日や帰宅後、犬とトイレをケージから出します。
帰宅後は色々と忙しいと思いますが、まずは犬と遊ぶなりして、トイレに行きたそうな素振りをするまで待ちます。
素振りをした時、ケージの外に出したトイレに連れて行きます。
トイレを外に出すのは犬が催した時、ケージにまた閉じ込められると勘違いし、我慢するようになる可能性があるからです。
ケージが好きな犬ならば問題はありませんが、多くの場合、長時間、外に出ることも出来ない檻状態なので、大好きという犬は少ないでしょう。
犬は驚いて、引っ込むかもしれませんが、その場合はまた遊び直し、催したらトイレに連れていくということを犬が排泄をするまで繰り返します。
これにより、犬は排泄したくなったら、トイレに行くことと排泄はトイレでするものというルールを覚えます。
犬にトイレのルールを教えるために、休日は犬とつきっきりで接して下さい。
噛み癖
犬は噛むことが好きです。
特に、乳歯が生える時、永久歯に生え換わる時は歯が痒いので、とにかく噛みます。
大切なことは、噛んでいいものと噛んで悪いものを教えることです。
きちんと教えることが出来なければ、成犬になっても噛んではいけないものを噛むという噛み癖を持つ可能性があります。
犬が噛んできたら、大きな声で、「ダメ!」と叱ります。
怯むと、更に攻撃されます。
手を噛まれた場合、振りほどこうとすると傷が深くなるので、動かさないことです。
犬が離れたら、噛んでもいいおもちゃを渡し、それを噛ませます。
犬が手のほうが興味を示しているのなら、おもちゃを動かすと犬が注目するので噛ませます。
この時、犬が口を開けないようにギュッと掴むなどはしません。
犬が手=怖い=噛むという攻撃的な噛み癖を発生させるリスクがあるからです。
大きな声を上げても離さない場合は、リードを使用します。
リードは犬の頭に近い場所を持ち、犬が噛んだ瞬間に、犬の頭を軸にして回転させ、ひっくり返し驚かせることを繰り返します。
その後、噛んでもいいおもちゃを渡します。
永久歯が生えた頃には一般的に噛み癖は落ち着くことが多いので、それまでの辛抱です。
叱り方
理想は芸能人の坂上忍さんです。
坂上さんは犬を怒る時は怖い声で、しっかりハッキリとした言葉で、「ダメ!」と言っていて、迫力があります。
様々な叱り方があるのですが、基本は犬が悪いことをした直後に、「ダメ!」というだけです。
犬も叱られた後は恐怖心を持っていますので、犬の恐怖心がなくなるまで撫でます。
犬にとって一番優しいのも飼い主であるならば、一番怖いのも飼い主であることが理想です。
叱るのが下手な人は叱っても怖くなくて、犬に伝わらないか時間が経ってから叱り出すというように、犬の生態を無視したような叱り方をしています。
犬は現行犯で叱らないと、何故叱られたのか分かりません。
何のことで怒られたのかを思い出そうとはせず、どうやったら叱られる時間を減らすことが出来るだろうと一生懸命に考え、反省ポーズなどを取ります。
犬には反省の概念はないので、反省ポーズをとれば人間が叱るのを止めたという過去の成功体験を元に、お説教から逃げるための適切な行動を取っているだけです。
風呂場に閉じ込めるといった叱り方も意味はありませんからやめましょう。
まとめ
マルチーズは被毛の手入れさえちゃんと出来れば、おススメの犬種です。
小型犬で子犬の内は低血糖を起こしやすいので、ヤンチャ過ぎるお子さんがいる家には難しいかもしれません。
だっこされることが好きな子もいるので、ぬいぐるみに乱暴をせずに可愛がることが出来るお子さんや老人には向いているでしょう。
生後2ヶ月から3ヶ月の社会化期に多くの人と犬を会わせたり、色々な場所に連れていくことで、警戒心をある程度抑えることが出来るかもしれません。