愛犬が散歩中などに吠えて困るという飼い主は多くいます。
気が強いんだからと微笑ましく思っている人も多いのですが、実際は気が弱い怖がりの犬であることのほうが多いのです。
そのため、他の犬に会う度に犬は怖いを思いをし、なおかつ、間違った自信を身につけている場合すらあります。
目次
愛犬が他の犬に吠える理由
社会化期に他の犬と接することがなかった。
生後2ヶ月から6ヶ月までを社会化期と呼び、特に生後3ヶ月から4ヶ月頃は社会化の臨界期と呼ばれます。
社会化期とは犬が様々な人、犬、環境に触れることで、慣れることです。
慣れることにより、普通の犬や人には危険性がないということを学び、恐怖心を抱かなくなります。
犬の情緒のためには生後3ヶ月頃に迎える社会化の臨界期の時、様々な人や犬と触れる必要があるのです。
しかし、多くの日本の家庭の犬は生後2ヶ月から3ヶ月前後に家にやって来て、ワクチンの関係上、生後4ヶ月頃に散歩に行くことが多いため、社会化の機会が少ないことが多いです。
恐怖心から吠える
社会化が不十分な犬は他の犬に慣れていないため、恐怖心を抱きます。
他の犬と飼い主にしてみれば、単に通り過ぎただけですが、犬は「追い払ったことに成功したぞ!」と自分に都合よく解釈をします。
そのため、追い払うために吠えるということを繰り返します。
その内、犬は飼い主も守らないといけないなどと思うようになり、更に盛大に吠えます。
次第に、飛びかかろうとする犬もいます。
飼い主が犬に対して誤った対処をしている
犬が相手に吠える時、威嚇吠えというものをしていることがほとんどです。
威嚇吠えをするのは「相手を追い払わなくちゃ」「飼い主を守らなきゃ」という2つの考えから行っている可能性が高いです。
犬の威嚇吠えには、「応援を求む!」など味方を呼んでいることもあります。
この場合、犬にとって飼い主は守るべき存在なので、味方には含まれません。
飼い主が、「ダメ! やめて!」と声を上げている場合、犬は、「飼い主も応援してくれてる!」と一致団結して、敵に立ち向かっていると思うことがあります。
特に、飼い主が他の犬を見た時、自分の犬は吠えないだろうかと不安や恐怖、緊張を持ってはいけません。
感情が変化する時、体内では様々な物質が分泌されるのですが、犬はその臭いを感じ取ってしまうのです。
しかし、具体的内容まで読み取れないので、犬は、「向こうからやってくるあいつが怖いのか!」と解釈されてしまいます。
そのため、飼い主思いの犬は、「絶対に追い払ってあげよう!」と気合を入れることになりかねません。
そのため、飼い主は常に穏やかな心でいることが理想です。
他の犬に吠える時の対策
他の犬や人に慣らす
気長なトレーニングになります。
気性が穏やかで、優しい犬の飼い主とお友達になり、愛犬と穏やかな犬とを徐々に交流させ、犬は危険ではないと知らせましょう。
このようにして、徐々に犬に慣らしていきます。
他には、他の飼い主さんたちに事情を説明し、散歩中に通りがかったら、おやつをあげてもらうなどして、「敵ではない」「他の犬を見ると良いことがあるんだ」と感じさせます。
とにかく、情緒が安定した他の犬と少しずつでも交流することが近道となります。
犬を守るのは飼い主である自分と自覚する
自覚する余り、飼い主が他の犬を敵視しては困りますが、まず、飼い主が、「自分の犬は自分で守る!」としっかりと覚悟を決めます。
他の犬に吠えて困るという飼い主の多くは犬を自由に散歩させていることがほとんどです。
そのため、目の前に他の犬が現れたら、どうするかは犬次第になります。
怖がりの犬の散歩の理想は、飼い主の横か後ろを歩いてもらうことですが、訓練が必要です。
しかし、うまく出来ない人もいるでしょう。
その場合は他の犬がやって来たら、飼い主が犬よりも前に出ます。
これで、他の犬と対峙するのは飼い主である自分だと犬に態度で示します。
そうしてから、犬を落ち着かせるために、お座りをさせることが理想です。
興奮している場合は犬の脇腹や後ろ足といった犬の急所を指先で軽く突き、正気に戻します。
犬が痛がるくらいの力は虐待なので、強い力を込めてはいけません。
犬が我に返ったら、お座りをさせます。
言うことを聞いたら、褒めます。
吠えないようにおやつやおもちゃで気を引き、相手の犬への意識を低下させます。
訓練を徹底する
リーダーウォークやツケと呼ばれる訓練です。
犬によっては再度の社会化が難しい場合があります。
その場合は訓練を徹底して、常に犬の注目を飼い主に集めます。
そして、散歩の時は早歩き。
これは犬に飼い主にだけ注目してもらって、他の犬へ意識を向けないようにするためです。
まとめ
愛犬が他の犬に吠える理由のほとんどは社会化不足により、他の犬を怖がることにあります。
社会化不足から吠えるようになってしまった場合、成犬になってから直るかどうかというのは犬次第になります。
たとえば、知能の高い大型犬のボーダーコリーやレトリーバーならば、ある程度は可能ですが、気性が激しく臆病なチワワでは難しい場合も多いです。
他には犬の年齢にもより、高齢の犬ほどうまくきません。
他の犬に吠える場合の対処法は2つ。
他の犬や環境に慣れさせるかリーダーウォークやツケといった訓練により、犬の意識を飼い主に集中させ、他の犬を意識させないです。
犬にあった方法を選択して下さい。